コラム一覧

エンディングノートについて

 いま「エンディングノート」という言葉を耳にすることが多いかと思います。大きな書店に行くと,一つの棚がまるごとエンディングノートで埋められているところもあるくらいです。

 このエンディングノートは,様々な観点から作られていますが,主に以下のような項目が挙げられています。

 ●プロフィール
 ●口座情報等
 ●保険情報
 ●医療・介護関係
 ●葬儀関係
 ●資産関係
 ●相続関係

 

 簡単なものでいいので,エンディングノートの内容をまずは記入してみることをお勧めします。一度文字にしてみることで,自分が何を大切にしたいのか,どういう希望があるかが見えてくることが多いからです。

 その上で,自分の思いを実現するには,何の手続が必要かが見えてくるものだと思います。ある方にとっては,財産がどのように分配されるかが気になるのかもしれませんし,ある方にとっては,もしも自分が認知症になったらどうなるのかが気になるのかもしれません。

 前者の場合だと,遺言書の作成が必要になるでしょうし,後の場合だと,任意後見契約が必要になるかと思います。

 現在,当事務所自作のエンディングノート等を使用して,「エンディングノートと遺言」というテーマでのセミナー等も開催しておりますので,ぜひご利用ください!

2021年07月08日

自筆証書遺言について

 自ら遺言書を作成することができれば(自筆証書遺言といいます。),手軽で費用もそれほどかかりませんが,この遺言の場合,民法上約束事がいくつかあり,それに反した場合は,遺言自体が無効となってしまいます。例えば,以下のような約束事があります。

1自筆で書く必要がある。

 遺言書の全文について,自筆で書く必要があります。ただ,近年の法改正により「財産目録」だけは自筆で書く必要がなくなりました(署名・押印は必要です。)。

2正確な日付を書く必要がある。

 「令和3年6月吉日」などと不完全な日にちを書いただけで無効となってしまいます。

3氏名を自筆で署名する必要がある。

 全ページについて自ら署名をする必要があります。

4押印する必要がある。

 氏名と様,前ページについて自ら押印をする必要があります。必ず実印であることは求められていませんが,実印を使用した方がよいです。

5訂正した場合のルールが複雑である。

 間違えた文字を二重線などで消し,正しい文字を書き,押印することはもちろん必要ですが,それ以外にも,欄外に「上記〇中,2字削除2字追加」等と記載して署名する必要があります。

 こうして見てみると,なかなか大変な約束事がありますね。しかも,以上の約束事を全て守って作成しても,遺言が内容的にちゃんとしているかどうかは別の問題になるのです。やはり,自筆証書遺言を作成する場合でも,形式面と内容面について専門家によるチェックを経る方が安全だと言えます。

2021年06月14日

認知症の疑いがある場合・・・

 ご相談を頂く中で,「認知症の疑いがあるけどどうしたらいいですか?遺言書を作ることはもうできないのですか?」といった類のものがと多いことに気付きます。

 遺言をするためには,「自分の遺言の内容を理解し,遺言の結果を認識できるだけの判断能力」が必要となります。認知症であるからと言って直ちに遺言をする能力がないということにはなりませんが,いずれにせよ,遺言書を作るためには,急いで何らかの対応をとる必要があります。

 また,遺言書を作らなとしても,認知症になりかけている場合は,もしも認知症がかなり進んだ場合のことを考えて対応する必要があります。例えば,重度の認知症になった場合に,何も手を打っていなかったら,銀行の預金口座から自分のお金をおろすこともできなくなり,裁判所の成年後見制度を利用せざるを得ない状況になるケースもあります(私も裁判所で担当していましたが,大変労力を要するハードルの高い手続です。)。ご本人の意思がまだはっきりしているうちに,あらかじめ任意後見契約を結んでおくなどの有効な手段もあります。

 当事務所では,任意後見契約にも対応しております。ぜひ早めにご相談ください。

2021年06月03日

裁判所書記官としての経験が・・・

元裁判所書記官と悔いの残らない遺言書を作りませんか?」と書かせて頂いていますが,なぜ元裁判所書記官なら遺言書作成に強いのでしょうか?

 民事裁判の中や家庭裁判所の手続の中で,当事者間で合意ができた場合に,「和解」や「調停」という形で円満に手続を終了することがありますが,その場合に「和解調書」や「調停調書」を作成するのが裁判所書記官になります。

 その場合,当事者の方の意思を反映することはもちろんですが,ちゃんともめごとの解決になる文言となっているか,もしもどちらかの当事者が約束事を守らない場合,ちゃんと執行(差押えなど)をすることができる文言になっているか,など多角的な視点から検討します。その過程においては,裁判官や同僚等とも対等な立場で議論することも多々あります。

 つまり,和解や調停等に携わったことのある経験豊富な裁判所書記官は,法律上の文言に詳しいのはもちろん,今後の紛争解決まで踏まえた望ましい遺言書や契約書を作成することができるのです。

 さらに,当事務所では,遺言・相続に特化しているため,数多くの遺言・相続に関する書式や文献も取り揃えております。

 さあ,経験豊富な元裁判所書記官である行政書士に遺言・相続をぜひお任せください!

 

2021年05月25日

遺言書作成のメリットは・・・

遺言書を作成するメリットは何でしょうか?

 まず,ご本人の意思がはっきりしているため,相続を受ける方同士の財産争いを防ぐことができるという大きなメリットがあることはイメージしやすいかと思います。もちろん,これが遺言書を作成する最大のメリットになります。

  →【メリット1】

相続を受ける方同士の財産争いを防ぐことができる。

 また,遺言書を作成するメリットは,相続を受ける方々の負担を大幅に減らすことができる点にもあります。もし,遺言書がなければ,相続を受ける方々が相続の手続をするために,財産や負債を自ら調べなければいけません。また,不動産の登記や預貯金の払戻しなどは,遺言書がなければ,相続を受ける方々全員分の関係書類を準備する必要があり,相続を受ける方々にとって時間的・金銭的負担が大きくなってしまいます。

  →【メリット2】

相続を受ける方々の負担を大幅に減らすことができる。

 さらに,ご自身の希望を叶えられることも大きなメリットといえるでしょう。誰にどの財産をどれぐらい渡すのか自分で決められるだけでなく,お世話になった方へのお礼や葬儀の方法やお墓の指定など,様々なご希望を家族の方々などへ正確に伝えることができます。

  →【メリット3】

ご自身の希望を正確に伝え叶えることができる。

 いかがでしょうか?遺言書には様々なメリットがあるとおわかりいただけたのではないでしょうか?反対に,遺言書を作成しなければ,これらのメリットと逆のことが起こってしまう可能性があるということになります。「相続を受ける方同士が財産争いをして,相続を受ける方々が相続手続で多大な負担を背負い,ご本人の希望までもが叶わない・・・。」。これらの事態は何が何でも避けたいですよね。

2021年05月20日

遺言書がなければ・・・

もし「遺言書」がなければ・・・どうなるのか一度考えてみたことがありますか?

 遺言書がなければ,相続を受ける方々が法律で決められたとおりの割合で相続を受けることになります。例えば,配偶者,お子さん2人の場合,配偶者は財産の2分の1,お子さんはそれぞれ4分の1ずつになります。

 

◆この場合,分けるべき財産(不動産,預金など)がはっきり分かる状態になっていますか?
 →遺言書の中で財産を明示すれば,財産に何があるのか相続人の方々が手間をかけて調査をする必要がなくなります。

 

◆もしも,財産が「持家500万円分,預金500万円」だとした場合,円満に相続できそうですか?
 お子さんたちが,「自分たちはその家に住んでいないから,配偶者が持家500万円分,私たちは預金250万円ずつもらう。」と提案した場合,配偶者の方は,生活を維持していくのが難しくなりませんか?
 →遺言書を作成すれば,配偶者の方が家に住みながら生活費も確保しておくことが可能になります。

 

◆遺言書がなければ,原則として,相続を受けるみなさんで遺産分割協議をすることになりますが,「お兄ちゃんは大学(や旅行)に行ったけど,私は言っていないから多めに財産をもらえるはず・・・。」などと言い出しそうな方はいませんか?
 →遺言書を作成すれば,このようなもめごとを避けることができます。

 

 いかがでしょうか?これらの「もし遺言書がなければ・・・」の事例を見ると,遺言書が必要ない方はそういらっしゃらないことがおわかりいただけたのではないでしょうか?

 遺言書の作成についてご検討いただき,遠慮なくご相談ください。

2021年05月15日